李明威(リー・ミンウェイ)はかつて、遠洋を渡り歩いた船長だった。その全てを息子に捧げ、引退後は息子の家で無償の世話係。それでも父の日、彼が贈った高級ベルトを「こんな偽物」と笑われ、夫婦の前で捨てられる。冷え切った心のまま、李明威は家を出た。行くあてもなく海辺に立っていた彼は、その日、海に落ちた富豪の美人を救う。その返礼として、彼女は一隻の漁船を丸ごと与えた。
船を失っていた男に、海が戻ってきた。老いた船乗りたちを集め、李明威はもう一度、荒海へと漕ぎ出す。頂点まで登りつめた男の網が掴むのは、魚だけではない。やがて、息子夫婦の妨害や姻戚の罠が、彼の足を引っ張ろうと暗躍し始める。だが、海を知る男は、嵐にも沈まない。六十歳の再出発は、新しい人生の幕を開けたばかりだ。