結婚記念日――それは、温静(ウェン・ジン)にとって夫との幸せを祝う日になるはずだった。
しかしその日、夫と親友は三年にもわたって不倫関係を続けていたことを隠したまま、温静を人けのない海へ連れ出す。
秘書が何度も危険を訴えていたにもかかわらず、夫を信じていた温静は、まさか自分が殺されようとしているとは夢にも思わなかった。
やがて彼女は檻に閉じ込められ、公海へ沈められようとしていた。
助けを呼ぶこともできず、死を覚悟したその時――。
かつて温静が救った小さなクジラが、両親を連れて現れる。
巨大なクジラたちは檻に体当たりし、温静を絶体絶命の海から救い出した。
九死に一生を得て帰還した温静を待っていたのは、さらに残酷な現実だった。
会社は夫たちに奪われ、彼女には何も残されていない。
それでも温静は立ち止まらない。
自ら新会社を立ち上げ、再びビジネスの世界へ。
そこへ、かつて助けたクジラの群れが珍しい海産物を次々と届け始める。
人脈も資金も失った女社長が、思いもよらぬ「海の恩返し」を武器に、奪われた会社と人生を取り戻していく。