捨てられた少年は、世界をひれ伏せる「聖者」となって還ってきた。
七年前、叔父の手で崖から突き落とされたエイデン・ブラックソーン。落ちた先の「虚空」で古代の秘術『暁の聖典』を手にするも、彼は己を「無能な落ちこぼれ」だと信じ込んでいた。
だが、無造作な一振りが歴戦の騎士を崩れ落とし、巨大な魔獣を一瞬で泥細工のように砕いていく。自らの規格外な力に無自覚なまま放たれる圧倒的な神威――。
かつて捨てられた少年は、一族が最も恐れる絶対者へと変貌を遂げていた。そして今、すべてを奪った者の前に男が立つ。彼らはまだ知らない。あの日、崖の下へ消えた少年が――何者になって帰ってきたのかを。